2026.09.06
この記事は、刃物を持った相手に遭遇したときの5つの状況(遠くから近づいてきた・金銭を要求された・至近距離で脅された×2・密室で脅された)と、それぞれの対処の考え方について記載します。どれでも最優先は逃げることです。刃物は命に直結する危険ですので、記事や動画を見ただけで実際の危険に対処できると認識されないでください。
刃物への護身の詳しい技術はナイフを持った犯人に出くわした時の護身術で解説していますが、ここでは5つの状況(特に相手との距離)別に、何に注意すべきかを整理して解説します。
目次
5分9秒の動画です。5つの状況を順番に実演しています。状況3はやってはいけない例です(背中を向けて逃げた場合)。
(実演・解説: インストラクター 西尾 健)
相手との間に距離があり、追われても逃げきれそうな状況です。迷わず逃げましょう。


逃げるときに、始めから相手に背中を向けるのは危険です。後ろから刺される可能性があるためです。必ず相手を見ながら、逃げられる距離を把握した上で、そこから逃げます。まず相手をよく見て、ある程度距離を稼いでから逃げる。それが正しい逃げ方です。
刃物を見せられて、財布などを要求された状況です。物を渡すこと自体は否定しません。渡し方に工夫があります。

普通に手で渡してしまうと、更なる要求が来る可能性があります。渡す際は、あえて財布を下に置きます。置くことによって相手の意識が下に向くので、下に向いた瞬間にその場から逃げます。手順は2つです。

相手が刃物を持ったまま、手が届く距離にいる状況です。この状況でそのまま逃げようとするとどうなるかを、あえて悪い例として見せています。


逃げようと背中を向けた瞬間に、後ろから追いつかれて刺されてしまいます。逃げられる隙を作っていないのに相手に背を向けるのは大変危険です。
この例で伝えたいことは2つです。1つ目は不用意に逃げないこと。逃げるのであれば、必ず相手の不意を突いて、隙を作ってから逃げること。2つ目は、もし仮に刺されたとしても、そこで諦めないで、絶対に逃げ切ることが大事だということです。
状況3と同じく、刃物が届く距離で脅されている状況です。ここでは、逃げる隙を作るための動きを示します。急所に攻撃をするのは、逃げる時間を確保するためです。
刃物を持った手を叩く動作は、あくまでも逃げる隙を作るためのものです。狙うのは相手の手の甲、しかも小指側。そこがウィークポイントになるので、そこに対して手で、敵の斜め前の方向に向かって弾いていきます。

弾いた後に股間蹴りをします。蹴る際は、しっかり自分の顔を両手で守りながら、手の向きもその形のまま、上半身を少し後ろに反ります。相手が刃物を横に振る(スラッシュする)可能性があるためです。手順は4つです。

蹴った後はすぐに後ろを向いて逃げます。
エレベーター内や走行中の電車内など、逃げる場所がない場合に使うテクニックです。状況1〜4と違い、逃げるという選択肢が取れない場合の対処です。
脅された状態から、相手の手首と手の甲を持ちます。これは同時に行います。抑えたら、刃物を相手の方向に返すようにし、同時に相手の股間に蹴りを入れます。


相手の力が弱まった(ソフトになった)のであれば、肘が膝の方向に行くようにしながらプレッシャーをかけます。最後は手首を外に返して、相手を倒します。手順は5つです。
倒した後、相手が復活する可能性があります。すぐさま首または胸の辺りにしっかり乗っけた状態にして、この状態で警察を呼ぶ、または非常ベルを押します。取れるのであればナイフを取る、という実演もありますが、本記事では奪取を勧めません。

紹介した動きは、相手の体格・刃物の種類・こちらの技術・周囲の状況によって結果が変わります。状況4と5の動きは指導者のもとでの練習が必要で、練習しても実際の対処を保証するものではありません。記事や動画を見ただけで再現できるとは限りません。
もし仮に刺されたとしても、そこで諦めず、絶対に逃げ切ることが大事です。安全を確保した後、刺された場合や出血が多い場合は直ちに119番に通報してください。刺さった物がある場合は、抜いたり押し込んだりせず(抜くと出血が激しくなる場合があります)、119番の通信指令員の指示に従ってください。それ以外の出血部は、ガーゼやハンカチ、タオルなどを重ねて当て、強く押さえて止血します。
刑法36条は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と定め、同条2項で「防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」としています。
正当防衛が成立するかは、侵害の状況や防衛行為の必要性・程度など、個別の事情によって判断されます。侵害が終わった後の報復は正当防衛として認められない場合があり、防衛の程度を超えた行為も必ず免責されるわけではないことをご理解ください。
※本記事は法律上の助言ではありません。
本物の刃物はもちろん、練習用のゴムナイフでも、単独練習はお勧めしません。安全な練習環境と適切な指導が前提とご認識ください。
動画で紹介された状況は、遠くから近づいてきた・金銭を要求された・至近距離で脅された・密室で脅された の5つです。一貫しているのは、逃げることが目的で、攻撃はそのための時間を作る手段だという考え方です。
刃物への護身の技術詳細はナイフを持った犯人に出くわした時の護身術を参照ください。
身を守る技術を学べる場所の選び方は東京で護身術を習うには?教室やジムの選び方で解説していますのでご参考ください。
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