頭突き(ヘッドバット)の正しいやり方と防ぎ方

2026.09.03

頭突き(ヘッドバット)は、ルールのある格闘技では反則ですが、ルールの無い護身の世界では、手が使えない時や相手との距離が極端に近い時に、予備動作なしで打てる有効な攻撃です。しかし頭突き経験のある人はほとんどいないと思いますので、素人がなんの知識もなく打つと、相手より先に自分が首や舌を痛めます。

この記事では、マガジム インストラクターの西尾が、頭突きの「当てる場所」「打つ前の準備」「狙う場所」「使いどころ」「防ぎ方」を解説します。

この記事の内容は、クラスで実際に練習できます
マガジムは護身術クラヴマガの専門ジムです(六本木・赤坂)。頭突きはクラヴマガのカリキュラム(グリーンベルト)に含まれる正式な技術で、クラスではインストラクターの指導のもとで安全に練習します。
体験は1回2,000円、動きやすい服装だけでOK(グローブは無料で貸し出します)。

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頭突きのやり方解説

この下に掲載するYouTube動画の冒頭では、イギリスの路上で自転車のトラブルから口論になり、頭突き一発で相手が倒れる防犯カメラ映像を見ています。一瞬で、しかもノーモーションで大きなダメージが入る。それが頭突きの特徴です。

動画の中で西尾が実演している、頭突きが当たる瞬間です。
頭突きが当たる瞬間。額の生え際のラインで相手の顔面に当てる
(実演・解説: マガジム インストラクター 西尾 健

頭突きの手順

  • 当てるのは「ハチマキを巻くライン」(額の生え際)
  • 打つ前に顎を引き、首を固め、口を閉じて歯を合わせる
  • 狙うのは相手の目・鼻・顎。頭のてっぺんは狙わない
  • 相手が低い時は、髪の毛や耳を掴んで引き上げてから打つ

当てる場所は「ハチマキを巻くライン」

自分の頭のどこを当てるかが最初のポイントです。当てるのは、ハチマキを巻く位置、つまり額の生え際のラインです。
当てる位置はハチマキを巻くライン(額の生え際)
正面に打つ場合は、このラインの真ん中で当てます。
横に打つ場合、こめかみで当てると自分がダメージを受ける(自爆する)ので、少し前髪寄りの位置で当てます。
横に打つ場合はこめかみを避け、少し前髪寄りの位置で当てる
後ろに打つ場合は、同じラインの後頭部側です。
後ろに打つ場合は同じラインの後頭部側で当てる

打つ前に顎を引き、首を固め、歯を合わせる

頭突きで一番多い失敗は、相手より先に自分を痛めることです。打つ前に次の2つを必ず作ってください。

  • 顎をしっかり引き、首を固める。首がゆるんだまま当てると、首をむち打ちのように痛めます
  • 口を閉じ、歯と歯を合わせる。口を開けていると、当たった瞬間に舌を噛みます

口を閉じて歯と歯を合わせる。舌を噛まないため
「首」と「歯」、この2つを意識した状態でぶつかります。打つ瞬間も、顎を引いて歯を噛んだ状態のままです。
当たる瞬間。顎を引き、歯を噛んだ状態のまま額の生え際で当てる

狙うのは目・鼻・顎。頭のてっぺんは狙わない

正面から打つ場合に狙うのは、相手の目、鼻、顎です。横から打つ場合は顎またはこめかみです。
狙うのは相手の目と鼻
そして顎。横からなら顎またはこめかみ
相手の頭頂部(てっぺん)は、当てても痛みはありますがダメージにはつながりません。相手の顔の「下のほう」を狙ってください。

相手が低い時は、髪や耳を掴んで引き上げてから打つ

相手が自分と同じ高さか、自分より高い場合はそのまま打てます。相手が自分より低い場合、そのまま打つと相手の頭(硬い部分)に当たってしまいます。
この場合は、相手の髪の毛や耳などを掴んで上にグッと引き上げ、顔の高さを合わせてから打ちます。
相手の髪の毛や耳を掴んで上に引き上げる
顔の高さを合わせてからヘッドバット。当たる瞬間

ここまでの動きは、頭で覚えるより体に覚えさせるのが確実です。クラスでは当てる位置と首の固め方を、インストラクターの指導のもとで段階的に練習します。 体験クラスで練習する(2,000円)

頭突きはどういう場面で使うのか

「頭突きが届く距離なら、フックや肘打ちのほうがよいのでは?」という質問に、西尾はこう答えています。

フックも肘打ちも有効です。ただ、手を上げる動作は相手から見えるため、「何か来る」と察知されて相手が別の行動に出る可能性があります。頭突きはノーモーション、つまり予備動作がなく、相手の意識の外から入ります。この「気づかれずに当てられる」点が頭突きの強みです。

特に有効なのは次の場面です。

  • 抱きつかれて、手が自由に使えない時
  • 相手との距離が極端に近く、パンチを打つ空間がない時
  • 女性の場合も、頭を振るだけで相手にダメージを与えられる

抱きつかれて手が使えない時に頭突きは有効
後ろから抱きつかれた時の対処は、後ろから抱きつかれた時の護身術で別途解説しています。

頭突きされた時の防ぎ方

頭突きは振り抜いて来るので、来てから防ぐのは難しい技です。防ぎ方は2つあります。

  • 距離を取る(パッシブスタンス)。頭突きは相手との距離が近い時にしか打てません。近づいてくる相手に対して、両手を前に出して距離を保てば、頭突きは届きません。構え方は護身術の構え(スタンス)を参照してください
    この距離を保てば、相手が頭突きをしようとしても届かない
  • 顎を引いて額で受ける。頭突きが来そうだと感じたら、顎を引き、口を閉じて歯を合わせ、自分の額(硬い部分)で受けます。顎を引かずに受けると、自分の顔にダメージが入ります
    頭突きが来そうなら顎を引き、歯を合わせて額の硬い部分で受ける

「手を上げて距離を取る」「顎を引く」の2つが、防御の基本です。

安全上・法律上の注意

  • 頭突きは自分も痛めやすい技です。自己流で練習しないでください。クラスではインストラクターの指導のもとで、当てる位置と首の固め方を確認しながら練習します
  • 頭突きは競技では禁止技であり、相手に大きなダメージを与えます。正当防衛として認められるかどうかは状況によって個別に判断されます(この記事は法律の助言ではありません)
  • 護身の第一は「戦わないこと」です。危険から離れる、逃げる、助けを呼ぶ。頭突きはそれができない距離に追い込まれた時の最後の手段です

まとめ

頭突きは、手が使えない・距離が近すぎるという「他の技が出せない状況」で、予備動作なしに出せる護身の技です。ただし、顎を引く・首を固める・歯を合わせる、この準備ができていないと、自分が先に痛みます。
いざという時に体が動くかどうかは、練習したことがあるかどうかで決まります。マガジム(六本木・赤坂)の体験クラスは1回2,000円、動きやすい服装だけでご参加いただけます。 体験クラスの予約はこちら

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この記事の監修者
西尾 健
1975年11月生まれ。広島県出身。クラヴマガブラックベルト(黒帯)3段保有。クラヴマガ指導歴22年、国内トップレベルの技術とクラヴマガ指導経験をもつインストラクター。歯切れがよく運動量も豊富でアグレッシブなトレーニングスタイルは大変特徴的で、担当するクラスのファンは実に多い。日本におけるクラヴマガのレジェンドインストラクターの一人。心身ともに抜群に鍛えられるため、クラスは大人気。柔術の経験も豊富。マガジム六本木店 チーフインストラクター。
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