

クラヴマガの生い立ち

格闘技とクラヴマガの違いは?
格闘技は主に、競技制のあるスポーツとして親しまれています。同じ性別で体格(体重)の近い相手と、素手やグローブを着用し、ほぼ「等しい条件」のもと準備万端な状態から戦いが始まります。 また一般的に、股間や目など急所への攻撃はルールで禁止されているため、ある程度は安全が確保された中で勝敗を争います。つまり、ルールのある中で相手に「勝つ」ことが目的です。
そのような格闘技の中から、実戦に使えるテクニックを多々取り入れ体系化したのがクラヴマガ。従って、クラヴマガと格闘技の間に共通点は多々存在します。 一方で、クラヴマガが想定している環境と目的は、格闘技とは大きく異なります。「夜道で突然、小柄な女性に対し、
大柄な男性がナイフで脅してきたら?」
「エレベーターで背後から
複数の相手に襲われたら?」

他の護身術との違いは?
日本で護身術というと、多くの方が連想されるのは合気道かもしれません。 合気道の達人が、洗練された身のこなしや所作で相手を倒す様は驚愕ですが、そんな映像をご覧になったことがあるかもしれませんね。 また柔道は警察でも取り入れられているため、護身術のイメージを持っている方も少なからずいらっしゃると思います。
しかし、これらは純然たる護身術というよりも武道そのものであり、護身術以外の要素も多分に含まれているのも事実です。 精神修行や礼法を重視していることはもちろん、初心者はひたすら基礎鍛錬を繰り返すことが求められる傾向にあります。 それを経て、徐々にレベルを上げ、数年の修業の後に実戦に耐えうる護身能力が身につくというステップです。 一方でクラヴマガのアプローチはどうでしょう。 多くのクラヴマガのトレーニングでは初回から、「もし正面から首を絞められたら」「背後から羽交い絞めにされたら」「ナイフで脅されたら」といった、 具体的な危険を想定したシナリオトレーニングを行います。 そこにカタや形式、儀礼は一切ありません。 危険のシナリオごとに体系化された護身の基本動作(いずれも「危険の解除とコントロール」→「反撃」→「素早く逃げる」のという流れで構成されます)を、まずは繰り返し練習します。 これは、基礎体力や格闘技経験の有無に関わらず、誰が習う場合でも共通です。
速習可能で実戦的な理由①
人間が本能的にもつ条件反射の動きを利用

速習可能で実戦的な理由②
パニック状態を想定したトレーニング

速習可能で実戦的な理由③
シンプルでアグレッシブなシステム

速習可能で実戦的な理由④
急所への反撃(カウンター)

速習可能で実戦的な理由⑤
防御と反撃が同時

速習可能で実戦的な理由⑥
現場で試され、日々進化するシステム

クラヴマガトレーニングの副次効果
動けるカラダと強いココロが手に入る


クラヴマガの豆知識
- ①クラヴマガは普通名詞
- 「クラヴマガ」という言葉は今まであまり聞いたことが無かったかもしれませんが、これは「柔道」や「空手」と同様に、格闘術の名称(=普通名詞)であり、 どこか特定のジム名やサービス名を指すもの(=固有名詞)ではありません。 「クラヴマガ」は普通名詞ですが、「クラヴマガ」を習えるジムの「マガジム」は固有名詞です。 身体を動かすスポーツという意味で広く言えば、「サッカー」や「野球」のような競技名だとお考え下さい。(厳密には、クラヴマガに競技制は無いので、競技名という表現は正しくありません。)
- ②ヘブライ語で「接近戦闘術」
- クラヴマガを英文表記すると「Krav Maga」。「Krav」はヘブライ語で「戦闘」の意味、「Maga」は「近接・接触」の意味を持ちます。 つまり「近接戦闘術」という意味をもつヘブライ語なのです。ちなみに英語にすると「Contact Combat」となります。
- ③国によって異なるクラヴマガの略称
- 「Krav Maga」をカタカナ表記する方法として「クラヴマガ」と「クラブマガ」の2つが存在しますが、アルファベット「V」はカナ表記すると「ヴ」が近いので、 今日では「クラヴマガ」が日本語表記として採用されています。 一方で日本語で音だけ聞くと「クラブ・マガ」に聞こえ、そこから「Club Maga」のような「マガ」というクラブがあるのだと勘違いされている方が多いのも事実です。 その結果か、日本ではクラヴマガを略して「マガ」と呼ぶ方が多くいます。 一方でアメリカではクラヴマガは「Krav」と略して呼ばれることは多くあっても、「Maga」と呼ばれることはあまりありません。国によって略称が異なるのも興味深い事実です。