2026.09.09
イスラエル国家警察の対テロ特殊部隊で格闘指導を担当してきた、世界のクラヴマガを代表する人物 アヴィ・ナルディア氏が、2026年10月31日の東京セミナーに向けて、ナイフへの護身の考え方やセミナーでのコンセプトをまとめた映像を送ってくれました。日本語のテロップを入れてありますので、音を出せない場所でもご覧いただけます。
アヴィ・ナルディアが語るナイフへの護身と距離(日本語テロップ入り)
短いもの、とても短いもの、中くらいのもの、刀のように長いもの、なたのようなもの。アヴィ氏は最初にこれを並べて見せます。長さも形も違えば、間合いも、相手にできることも変わります。
刀のように長いものから、ごく短いものまで。長さと形が変われば、間合いも対応も変わります。だから「ナイフを持った相手にはこれをやればいい」という一つの答えはありません。一つの型を覚えて安心するのは、いちばん危ない覚え方です。
一つは、まっすぐ突っ込んでくる型です。相手は途中で方向を変えません。もう一つは、絶えず方向を変えてくる型です。フィリピンの武術やシラットの動きがこれにあたります。
まっすぐ突っ込んでくる型。下から上へ振り上げてきます。
もう一つの型。角度を変えながら振り回してきます。フィリピンの武術やシラットの動きです。前者に有効な対応が、後者にはまったく通じません。相手がどちらの動きをしているのかを見分けることが、対応の入口になります。
アヴィ氏はサバンナのライオンに例えます。ライオンは群れ全体を襲うのではなく、弱そうに見える一頭、遅れた一頭を選びます。
人も同じで、無差別に見える事件でも、選ばれているのはヘッドホンをしている人、スマートフォンを見ていて周りに注意が向いていない人です。逆に、周囲に注意を払っている人は選ばれにくくなります。自然界で動物が自分の強さを見せるのと同じ理屈です。
一方で、狙いが「あなた個人」である場合は話がまったく変わります。相手は部屋に入ってきて、あなたを見つけるまで様子をうかがいます。相手が決まっている場合は、別の備えが必要です。
護身の世界には「21フィートルール」と呼ばれる有名な検証があります。
アヴィ氏はこう説明します。6.2メートル離れていても、座った状態から相手があなたに届くまでは1秒半しかかかりません。距離が倍の約13メートルになっても、3秒はかかりません。2秒半です。すでに動き出している相手は、そこから加速するだけだからです。
つまり距離は「離れているから安全」という意味ではなく、「自分に何秒残されているか」を測るものさしです。6メートルは、逃げるか、間に物を置くかを決めるだけの時間しかない距離だ、ということになります。
6メートルの距離で選べるのは、逃げるか、間に物を置くか。椅子でも盾になります。アヴィ氏は、刺されてすぐに命が尽きるわけではない、時間が関わる、と話します。だから護身には、その後どうするかまで含まれます。傷の手当て、身の守り方、そして二度目の攻撃や二人目の相手を許さないこと。
そのうえで、何度も繰り返されるのが「距離を保つこと」、そして「間に物を置いて、その後ろに入ること」です。机でも、椅子でも、かばんでも構いません。相手が来ても、その物が守ってくれます。
ここまでは考え方です。実際にどう動くかは、体で覚えるしかありません。
10月31日のセミナーでは1日(2時間×3セッションの合計6時間)を通じて、ナイフに対する危険の考え方や現実的な護身を、実際に動いて体で学べる絶好の機会です。是非セミナーにご参加ください。
マガジムでは、ナイフを持った相手に出くわした場面の対処を別の記事で解説しています。あわせてご覧ください。