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How To 護身術

- How To Goshinjutsu -

護身術とは

ナイフを持った犯人に出くわした時の護身術

2025.06.01

最近ナイフを使った凶悪な傷害事件が相次いでいます。2024年12月の北九州市のファストフード店での中学生刺殺事件、2025年8月の神戸ストーカー殺人事件、2025年9月の町田市で起きたた無差別殺人事件などは記憶に新しく、いずれも犯行にナイフが使われています。

これらの事件は、駅前や飲食店、街中の路上などで無差別に発生しており、もはや誰もが被害者になり得る現実を突きつけています。そして「こんな事件に巻き込まれたらどう対応すればよいのか?」といった疑問を持ってこのページにたどり着かれた方も多いに違いありません。

 

ここではその解決策の一例をテクニックとともに解説しますので、是非ご参考ください。
ただし刃物の攻撃に対する護身は、見聞きしただけでできるほど簡単なものではありません。本当に防御力を高めたいとお考えであれば、以下をご覧のうえで「ナイフへの護身 Weapon Basicクラス」に一度体験参加され、その必要性を肌で感じて頂くことを強くお勧めします


必ず助かる方法はない

クラヴマガにはナイフへの護身テクニックが数々ありますが、決して万能ではありません。ナイフは殺傷能力が高くトレーニングを積んだエキスパートでさえも対応が困難です。テクニックを身につけたとしても、いざというときに自分の身を守れる保証はありません。

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対峙しないのがベストな護身

万が一ナイフを持った人に出くわしたときは、とにかく逃げて下さい。少しでも遠くに離れて安全を確保し、すぐに警察に通報して下さい。人が公共の場でナイフを露出させていること自体が異常であり、関りを持つことは無謀です。
 
しかし犯人が目前に迫って逃げ場が無かったり自分の家族が被害に合いそうな場合など、どうしても犯人に立ち向かう必要があるなら、まず盾として使えるものを探してください。
 
カバンや椅子は盾として有効です。または長い棒状のもの(傘やゴルフクラブ、バットなど)は犯人との距離が取れるうえ、打撃を加える対抗手段にもなりえます。
 
そして単独行動をせず、大声で周囲の人に協力を求めてください。一人より二人、二人より三人と協力者がいれば、状況が打開できる可能性が高まります。
 
ナイフから身を守ってくれる魔法のような護身術はこの世に存在しません。まずは関わらないことを最優先に、犯人と1対1で対峙しないために何ができるかを考え行動することが、現実的な護身術です。

ナイフで刺された場合の護身

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これから扱うのは、それでもナイフを持った犯人に対峙してしまった場合の護身テクニックです。逃げ場も無く協力者もおらず、とっさに盾として探せるモノが周囲にない状況です。
 
そんな絶体絶命のときの最後の手段としてこのテクニックは存在します。しかし一度や二度練習をしたからといって実戦では到底使えません。では長期にわたって繰り返しトレーニングを重ねて身体に覚えこませたとしても、万が一の危険時に無傷でいられる保証はどこにもありません。

 

ナイフに対する護身テクニックは、致命傷を避け、自分の命が助かる確率を少しでも上げるための最終手段です。
 
そんな前提で以下をご覧ください。


パッシブスタンスを構える

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基本の構えであるパッシブスタンスをとります。両肘が下を向き、脇が開かないことを注意します。
 
敵がナイフでまっすぐ刺してくる場合、最もターゲットになりうるのは、胸を中心とした胴体部分が中心です。
 
従って、前腕で顔を守るというよりもやや低く構え、ちょうどターゲットの胴体エリアを前腕でカバーするイメージです。両手の指先はまっすぐ伸ばし、両肘は地面を向くように構えます。

自分の上腕を相手の腕にスライド

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敵がまっすぐナイフを刺してきたら、自分の左手から上腕を使ってナイフの軌道をそらします。
 
左手首から前腕が敵の手の甲に触れたと同時に、左手首を鋭く内側へローテーションさせることでナイフを自分の身体からそらします。
 
足を使って前に飛び込むことで、左前腕はナイフを持った敵の手の甲から上腕にかけてスライドし、ナイフの軌道はターゲット(=自分の胴体)から更にそれます。

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スライドさせた前腕に自分の体重をしっかりのせ、後ろに引くこと無く前へ飛び込みます。


相手の腕をコントロールして打撃を加える

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敵の腕をキャッチし、自分の体重を上腕を通じて敵に乗せてコントロールしながらパンチを加えます。パンチを受けた敵がよろめき後退したとしても、自分のプレッシャーを敵に与え続けられるように前進します。
 
このとき左ひじは必ず地面に向け、自分の体重を敵にしっかり乗せます。

敵はナイフが一度刺さらなくても二度、三度と繰り返し刺してきたり、刃で切りつけてくる可能性があります。前進してプレッシャーを与え続けることで敵の自由を奪い、ナイフの連続攻撃を防ぎます。

両手で犯人の拳をホールド

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パンチを打った右手を戻したらすぐに右手で敵のナイフを持つ拳をカバーします。(上から覆い被せます。)

重心はこの時も前よりで、敵の方向に体重がかかっていることが重要です。


ナイフを奪う必然性

守るべき人が自分以外にいないなら、ここでナイフを持った敵ごと遠くへ押して距離を作り、すぐ逃げるのが得策です。敵にダメージがあれば、すぐに追いかけることもできず逃げ切れる可能性があります。安全を確保したうえで通報して下さい。
 
しかし今回紹介している危険のシナリオは「逃げる空間が無い」状況です。走行中の電車内や閉所など、密室での犯行を想定しています。そんな中、ナイフが相手の手中にあっては、また同じことが繰り返さるため、ナイフの奪取は必要です。
 
以下にナイフの奪取方法をご紹介しますが、これもリスクが高い行為であることをご留意ください。興奮状態にある犯人からナイフを奪うのは大変難易度が高く、失敗すればまた切りつけられる可能性があります。実戦で使うには相当な繰り返しのトレーニングが必要であるという前提でご覧ください。

ナイフの奪取方法

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(1)左手で敵の右手首を掴んだまま、パンチを打った右手を戻し敵の右手の上に覆いかぶせます。
 
(2)左手を手前に引きながら右手を押すと敵の手首に痛みが走ります。(敵の手首を極めます。)
 
(3)腕だけではなく下半身から全身の力を使うと効果的です。
 
(4)手首を極められると敵は痛みからナイフを握り続けられず、もぎり取ることが可能です。
 
それでも敵が抵抗して奪えずもみ合いになると、その拍子でナイフが自分に刺さる可能性があるため危険です。

そこで奪取には執着せず、テイクダウンを優先します。

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[テイクダウン方法]

(5)右足を軸にして回転しながら敵の腕を押し下げると、敵は手首が極められているので、痛みから地面に倒れます。
 
(6)腕を鋭く逆にねじり、左のスネからひざを相手の首にあててプレッシャーを与えます。

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(7)完全に地面でコントロールされた状態であれば、敵は抵抗ができませんので、ナイフをもぎり取ります。

右手を押しながら左手を引くことで再度敵の手首を極め、そこから右手で相手の指を剥がしとるようにナイフを奪います。

ナイフを奪ったら

その後の対応は状況によって異なりますが、まず大切なのは再びナイフを敵の手に渡らないようにすることです。

遠くに投げ捨てる、周囲に人がいればナイフを持ってもらったり遠ざけてもらうことが必要です。協力者が見つかれば、警察への通報をすぐにお願いしましょう
 
敵は、ナイフが奪われたからといっておとなしくなるとは限りません。丸腰でも激しく抵抗したり、更なる攻撃を加えてくる可能性がありますので、この段階で逃げることができないのであれば、さらなる対応が必要になります。

※それ以降の対応については割愛します。

ナイフへの護身を
身につけたい方へ

いかがでしたでしょう。護身術クラヴマガのテクニックは合理的ですので、ご納得された方も多いかもしれません。
 
ただしあなたが本当にナイフへ対応できる力を高めたいのであれば、難易度がとても高いナイフの護身の知識だけで安心されるのは危険です。
 
まずは対ナイフの護身の基礎が学べる「Weapon Basic」クラスを体験してみてください。。一度クラスに体験参加されれば、正しい技術を教わることの重要さや、武器対策の基本が何かをご理解いただけると思います。


身に付けたい方のための
マガジムの通い方

まずは基本が大切

何事もまずは基礎が大事です。「KM1」では基本的な構えや打撃、護身の基礎をわかりやすく教えます。10回ほど参加すると基本技術や体力がついてきますので多くの方はここから始めます。

護身術基本クラス「KM1」はこちら

ナイフへの護身を扱う「KM Weapon」

「KM Weapon」クラスでナイフ対策護身術を実践します。

刃物に対する護身が習える「KM Weapon」クラスでナイフに対する技術を繰り返し学びます。一度経験されるとわかりますが、相手が本気で襲ってきたときの難易度はかなりのものです。練習に終わりはなく、強いストレス下でも動けるよう身体が記憶するまで繰り返しトレーニングするのが大切です。

 

クラヴマガの中級レベルクラス「KM2」や上級レベルクラス「KM3」にはナイフ対策のカリキュラムが多く含まれます。
KM1~3とWeaponを並行して受けることで着実にレベルを上げ、本当に使える護身の力を身につけます。

体力づくりも並行

技術だけつけても体力が無くては身を守れません。K並行して以下のクラスで体力づくりします。健康的なカラダづくりや姿勢強制、ダイエットもできて一石二鳥です。

体幹筋トレクラス「Coreトレーニング
打撃フィットネス「BAGワークアウト
全身に効く「TRXトレーニング
 
これらを週1~2ペースで3か月ほど続けると、多くの方は心身ともに変化してきたことに気づきます。

まずはKM1またはKM Weaponの体験から

実践的な護身術が習える環境はどんなものかをこちらからご覧ください
 
護身術初級者レベルクラスのKM1と体力づくりに最適なBAGクラス、さらにはKM Weaponクラス(現在ご予約フォームを準備中)に体験参加いただけます。
 
一度クラスに体験参加されれば、実践的な護身術トレーニングがどんなものかをご理解いただけます。ナイフに対する護身術の習得に少しでもご関心のある方は、まずはぜひクラスを体験ください。


マガジムはどこにある?店舗情報

KM Weaponは赤坂と六本木の2店舗ございます。
赤坂と六本木の店舗について詳しくは、こちらからご確認ください。
赤坂ジム
六本木ジム

会員の月会費

マガジムは、1ヶ月に参加できるクラスに応じて、プランが異なります。入会金として、11,000円をいただいており、1ヶ月に5日間クラスに参加できる「ライト会員」では、男性13,500円(税抜)女性12,500円(税抜)となっております。
詳しくは、こちらからプランをご確認ください。
マガジムの料金表

クラス体験のお申込み

以下のフォームより体験予約をお申込みください。
六本木店・赤坂店いずれも受付ております。


最後に動画で解説

最後に、以下は今回のシナリオを想定した動画です。
あわせてご参考下さい!

ナイフの護身に関する動画は多数掲載しておりますので、マガジムYouTubeチャンネルを是非チェックください。

 

マガジムでは護身の技術はもちろん、ジムの雰囲気や、自分にとっての最適なトレーニング方法などをインストラクターに直接聞くことができます。気になる方はぜひクラス体験にお越しください。

護身術 基本クラスを体験
気になる方はこちらから!

見学・体験予約

この記事の監修者
徳山 洋
1974年11月生まれ。青森県出身。クラヴマガブラックベルト(黒帯)一段保有。クラヴマガ指導歴15年、西尾とともに日本のクラヴマガ界をけん引してきた、国内トップインストラクター。ムエタイのプロファイターとしてもリングで戦ったキャリアをもち、立ち技格闘技に対する見識は極めて深い。TRX等の体幹トレーニングのプログラム開発や指導の分野でもスペシャリスト。初心者にとってもわかりやすい丁寧な指導スタイルは、男女問わず大変好評。マガジム1の「優男」。マガジム赤坂店チーフインストラクター。
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