「MMAテイクダウン入門 」ワークショップ開催報告!
4月8日(日)、春のワークショップシリーズ第2弾として、現プロフェッショナル修斗ストロー級チャンピオンの猿田洋祐インストラクターによる「MMAテイクダウン入門」が開催されました。
現役チャンピオンが伝授する、プロの試合で使えるテイクダウンの取り方!
こんなテーマ設定ですから、総合格闘技やグラウンドテクニックに興味ある方が飛びつかないわけがありません。
こちらも西尾インストラクターのワークショップ同様、募集開始からあっという間に定員となりました!
ワークショップの内容をレポート致しますのでご覧下さい!!
⚫︎⚫︎レスリングの構えと足の運び方⚫︎⚫︎
総合格闘技におけるタックル技術の基本はレスリング。ですのでまずはレスリングにおけるタックルの基本を扱いました。
レスリングの構えの基本は重心を落として前足に体重がかかるようにすること。重心が高いと相手に中に入られてしまいます。
そして足の運び方は、まず自分の膝(写真では左膝)を立て、
次に後ろ足(写真では右足)を送り、相手の懐に入ることです。
⚫︎⚫︎タックルの入り方3パターン⚫︎⚫︎
続いてタックルの打込みです。タックルすべてのテクニックに共通して言えることは、「手の力は極力使わず、足の運びで崩す」こと。
腕力に頼って相手をテイクダウンしようとすると自分の脇が空いてしまいます。脇が空くと相手から脇の内側をさされるリスクが高まりますので、そうなると相撲と同じで、体制は不利になってしまいますね。
また上半身だけで相手に飛びつき、下半身がそれについて来ないと、相手にスプロールされてタックルを上から潰されてしまいます。
しかし足が上体について来れば、相手が自分を上から潰そうとしても上体を起こせますし、横に回避することもできます。
このワークショップのテーマであるタックルは、低い体勢を保ちながらの足の運びが大変重要ですので、参加者の皆さんは全員、下半身がパンパンになること必至です!!
①ダブルレッグ(両足タックル)
まずはタックルの基本であるダブルレッグ(両足タックル)。
ダブルレッグは自分と相手が同じ構えで、相手のスタンスがあまり広くない時に有効なタックルです。
「構えと足の運び」で使った写真はダブルレッグのものですのが、ここで改めて連続でご覧ください。
左膝を相手の前足内側に立て、後ろ足を相手の奥に送り、さらに相手の正面ではなく、ややサイドに回り込みます。自分の頭は相手の外側になります。
そこから斜め後方に崩すのがポイント。正面から真後ろに倒そうとするよりも、相手は踏ん張るのが難しく、結果バランスを崩しやすいのです。
もう一つのポイントは、腕力で相手の足を引き上げようとするのではなく、しっかりと足を送って相手の奥に入り込み、肩から胸を相手に密着させ、カラダで相手を押して崩すこと。手はあくまでも補助くらいで考えておく必要があります。
いかに足の運びが重要かがご理解頂けるでしょう。
②ハイクラッチ
ハイクラッチは相手が自分と同じ構えでいながら、前後にワイドにスタンスをとっている場合に有効なタックル。
相手がワイドスタンスだと両足を一度にとるのが難しくなるため、別のテクニックがあるのです。
ダブルレッグ同様に膝を相手の前足内側に立てたら、立てた膝と同側の手で、相手の膝を取ります。入りが浅くならないよう、半身で奥まで入ることがポイント。
目線を下げて下を向くと相手に上から潰されるので、目線は上げて胸を張り、相手と密着します。相手の前足をとった状態から、上方へ突き上げるように相手を押すと、片足の相手はバランスを崩します。
③シングルレッグ
今度は相手が自分と逆スタンスの場合に有効な、シングルレッグ。頭は相手の内側に入ります。
こちらもポイントは、相手の足にしがみつき、それを引こうとするのではなく、相手の懐に入ってカラダで押して体制を崩すこと。
足を力ずくで引こうとしても相手の体重はしっかり足に乗っているので、容易にバランスは崩れません。逆に懐に入って押してしまえば、それだけでバランスは崩れやすく、相手もしっかり足に体重を乗せることができませんので軽くなり、倒しやすくなるのです。
足をとったら両足で相手の足を挟み、胸を張って頭を上げます。猫背になったり目線を下にしたりしないことがポイント。
⚫︎⚫︎MMAでの応用 打撃→タックル→テイクダウン⚫︎⚫︎
では、今まで習ったレスリングのタックルの技を、総合格闘技の試合でどのように使っているのか。
それはパンチ → タックル → テイクダウン のような打撃との連携です。
①ジャブ → ダブルレッグ → テイクダウン
タックルに入る前に、先制のジャブを相手にいれてからダブルレッグに入るコンビネーションです。
身構えている相手にいきなり距離があるところからタックルに入ろうとしても、相手は動きが洞察できてしまいますので、そう簡単にうまくはいきません。
猿田インストラクター曰く、「タックルが成功しなかったときの体力消耗は激しく、精神的もガッカリしてしまう!」とのこと。であれば成功確率を高めなければいけません。
最初にジャブを浴びせる理由は主に3つ。
1.ジャブで相手との距離をつぶす
2.ガードを上げさせる
3.ジャブが相手にとって目隠しとなり、自分の動きを見えにくくする
遠くから突然タックルに飛び込んでも相手は警戒できてしまいます。まずジャブを浴びせることで距離が縮まります。
また相手はジャブに意識がいくのでガードが上がり、タックルへの警戒が低減します。さらに、放ったジャブはすぐに手前に引かないことがポイント。何故ならばこのジャブは当てることが目的ではなく、「目隠し」が目的だからです。ジャブはぎりぎりまで引きません。可能な限り相手の目線上に残します。
それによって相手は自分の動きが見えにくくなります。そこですかさず、ジャブの手を相手の目線上に保ったまま、重心を落としてダブルレッグ!!
ただし重心を落としたときに相手の反応をよく見ることが大切。この段階でもし相手が警戒して距離をとってきたら、タックルを止めるなど、適切な判断をしなければいけません!!
さらにテイクダウンまでの動きを動画でご覧ください!
その後、ワークショップでは以下のMMAレスリング(打撃→テイクダウンの連携)が行われました。
②ジャブ → オーバーハンドパンチ → ハイクラッチ → テイクダウン
相手のスタンスがワイドな時、ハイクラッチに入るための打撃とのコンビネーション。
③ジャブ → オーバーハンドパンチ → ハイクラッチ → ダブルレッグ → テイクダウン
ハイクラッチをとったあと、相手がケンケンしてバランスをとると自ずと後ろ足が近づいてくるので、すかさずダブルレッグでテイクダウン。
④ワンツー → フック → シングルレッグ → テイクダウン
相手が逆スタンスの時に、ワンツー → フックからシングルレッグに入るコンビネーション。
➄④からの大内タックル
相手が足を抜いてきた場合の更なる応用
②から➄、いずれも①と共通して言えることは、パンチがその後のタックルの死角を作り、相手がタックルに反応しずらくなること。相手に実力があればあるほど、闇雲にタックルをしても切られるだけですので、このような誘いや駆け引きがあるのです!!
これらをまとめたものが以下の動画です。猿田インストラクターの打撃からのタックル、テイクダウンの流れるような一連の動きをご覧頂けます!!
いかがでしたでしょうか??
普段猿田インストラクターの試合をご覧下さっている方も、試合でどんなテクニックをどんな駆け引きから出しているのか、よくお分かり頂けたと思います。
猿田ファンが大半を占めた本ワークショップの参加者の皆さんは、チャンピオンのデモと指導を直接受けれて大満足顔(*^^*)でした!!
最後に猿田インストラクターの次回の試合情報!!
5月13日(日)に「カルッツかわさき」(川崎駅から徒歩15分)で、猿田インストラクターが持つ世界ストロー級ベルトの初防衛戦が開催されます。
◎世界ストロー級チャンピオンシップ5分5R
猿田洋祐(王者・初防衛戦/和術慧舟會HEARTS)
vs
村田一着(挑戦者・同級世界1位/NEW GROUND)
http://www.shooto-mma.com/topics/?id=2608
マガジムでも近日中にチケットのご予約受付を開始致します!!
昨年10月に奪取した念願のチャンピオンベルト。絶対に負けられない初防衛戦には、会員の皆さまの応援が必要です。
是非会場にお越しの上、マガジム応援団として猿田インストラクターに力を貸して下さい。応援よろしくお願いいたします!!